ミラノデザインウィーク視察④

インサイドジール

さて、フィエラサローネの続きです。 いろんなブースがありましたが、その中でも群を抜いて印象に残ったブースが2つありました。 まず1つ目は「PRECIOSA」(プレシオサ)ブースです。 PRECIOSAは、ボヘミアクリスタルを製造するチェコで一番有名な高品質クリスタルジュエリーとオブジェを作る会社で、独自の製法と加工法によるカッティング技術、クリスタル・ガラスといった製造技術を生かし、最近ではアクセサリー製品の製造も行っているそうです。 アーチ状の隙間から覗く、ボリュームのある照明が気になって入りたくなる外観です。 ブースの中からは「キン、キン」、「カン、カン」というような、ガラスを叩いたような音が聞こえてきてより興味をそそります。 ブースの中は大きく分けて3つのエリアがありました。 1つ目はこちら。 この照明の下には台とグラスが置いてあり、そこで乾杯をすると音を立てながら照明がキラキラと点滅しました。 2つ目はこちら。 これは照明の1つに穴が空いているものがあり、そこにふーっと息をふきかけると音と共に光り輝きます。 そして3つ目がこちら。 今回の目玉だと思われる、一番多く照明がつけられたエリアでした。 回転している台の上にデフォルメされた馬のオブジェが展示され、メリーゴーランドのようですごく可愛かったです。 そしてここではハグをすると照明が音と共に光り輝く仕組みというメルヘンさ。 写真では伝わらないと思うのでぜひ動画を見てみてください。 [embed]https://youtu.be/IgjGnZAp3Kc[/embed] このブースのよかったところは、体験を通して製品の良さが伝わり、記憶に残ったところです。 そして大の大人たちがはしゃいでグラスを鳴らしたりハグしたりしていて、コミュニケーションが生まれ、この製品を通して仲良くなれそうな感じがありました。 私の上長もイタリア美女に頼んでグラスを鳴らしてもらってました。笑 言葉がわからなくても説明のいらないブースです。 実は初めは何かアクションを起こすと照明が変化するということに気がつかなくて、気づいた後はわくわくしぱなっしでした。 そして、印象に残った2つ目のブースは「SWAROVSKI」ブースです。 偶然、スワロフスキーもプレシオサと同じ業態ですね。 外観はひとつひとつ切り欠きの異なるルーバーで覆われ、出入口が1つだけの完全クローズブースでした。 一見真っ黒に見えますが、単純な黒塗りではなく少し緑がかったオイルステンを塗っているのかなと思います。 中に入るといくつもの布のレイヤーが重なったトンネルのような空間になっていて、まるで森の中に迷い込んだかのような、そんな感覚にさせてくれます。 桜の枝をモチーフにしたような照明もあり、より森の中を彷彿させてくれます。 写真が上手く撮れず白飛びしちゃっていますが、この暗い空間で見る製品がもう、それはそれは美しかったです。 ひたすら「きれい!かわいい!ほしい!」と心の中で言ってました。 光をガラスに通すと乱反射してとてもキラキラと輝いていました。 白の方が光が広がりやすいので、照明を扱うときはよく白を使うんですが、この場合は黒がすごく良いです。 シャンデリアのコーナーは植物も一緒に展示されさらにおとぎ話の中に入ったような気になります。 狙ったことなのか、そうでないのかわかりませんがルーバー状の天井から漏れた光が木漏れ日のような効果を出していました。 全体的に暗いブースですが、商談のエリアだけとても明るくなっていました。すごくゴージャスな雰囲気です。 スワロフスキーブースのよかったところは、プレシオサブースのような体験とは少し違う体験ができた点です。 製品のテーマや特性を活かし、いかに製品を良く魅せるかに重点を置き、ブースを作り込んだところに感動があり記憶に残りました。 フィエラサローネ編はこれで終了です。 次はフォーリサローネの展示について書いてきます。

ミラノデザインウィーク視察③

インサイドジール

2日目はミラノサローネ本会場のロー・フィエラへ。 まずサローネサテリテの展示を見ました。 サローネサテリテとは、35歳以下の若手デザイナーの登竜門で毎年世界中から応募があり、厳正な審査を通過した若手デザイナーが最大限のプレゼンスを発揮する場です。 ここで有名企業などの目に止まると商品化や、一緒にプロジェクトをやって製品を作る、、などチャンスが生まれる場所です。 若手デザイナーの登竜門とはいっても、さすが世界中からの応募の中を勝ち取っただけあって素敵なプロダクトが多いです。 これ欲しいな、というものがいくつかありました。 その一つがこちら。 これはスピーカーなんです。 見た目はスピーカーに見えなくて、インテリアとして置いておきたくなるような素敵な作品でした。 こちらの作者は日本人です。 他にも日本人のデザイナーがたくさん出展していました。 外国人デザイナーと比べると、日本人のデザインするものは繊細さが際立つようなものが多かったように感じます。 中には多摩美の現役学生の作品も。 ころっとした可愛らしいフォルムの照明器具です。 展示されていた写真もまた素敵でした。 世界を舞台にしている日本人の姿や世界の若手デザイナーの作品を目にすることができました。 そして、本会場へ。 ここからはちょっと業界的な視点(展示されている家具よりブース全体)での話が多くなると思います。汗 圧倒的なブース数と、木工の厚みのボリューム感だったり、使っている素材など、すごくお金をかけてるなあという印象がありました。 私たちのディスプレイ業界の展示会ブースでよく使う素材の、壁の「経師」や、床の「パンチカーペット 」はほとんどなく、本物の木材や本物の石の素材、左官のような仕上げだったり、インテリアの展示だけあって内装で使う素材を使っています。 こちらのブースの壁面はこんな素材 こちらはマジスのブース。 壁はこんな仕上げでした。化粧ビスも赤でかわいいです。 赤いスリットがアクセントになっていてこちらも可愛い。 また、日本の展示会よりも派手なブースも多いように感じます。 色の使い方も日本に比べると思い切った使い方だなあという印象でした。 また、ファブリックを使用したブースも多かったです。 ミラノサローネではメインの家具に加え、キッチン・バスと照明・オフィスの見本市が隔年で開催されます。 今年は照明の年。 照明エリアは綺麗なブースが多かったです。 光の演出の効果は大きいのだなと気付かされます。 これは製品のシャンデリアが凄すぎて、この製品をよく見せる展示に注力してます。 次回にフォーリサローネで一番よかったブース2つをご紹介します。

ミラノデザインウィーク視察②

インサイドジール

夜22時に日本を発ち、ドーハで乗り継ぎ約20時間の長旅の末ようやくミラノマルペンサ空港に到着。 空港から移動しホテルに荷物を置いたころには夕方15:30ごろ。 この日はあまり活動できないけど、さっそく街へ繰り出し街に散策へ! 石畳の道で建物も古く趣のあるすてきな街並みです。 まずはサンタマリア デッレ グラツィエ教会とドゥオーモを見に行き、最初にルイヴィトンの展示を見に行きました。 さすが人気です。 行列ができていますが、案外すぐに入れました。 中に入ると真っ青な螺旋階段。 階段を登りきり部屋に入るとエントランスが現れます。 そこには今回の展示されているインテリアのカードが並べられていて、自由に持ち帰ることができました。 紙は厚みがしっかりあり、これだけでも嬉しい。 さらに奥に進んでいくと、エントランスでも見た有機的でビビットな家具たちが展示されていました。 クラシックな既存の建物の中に南国の植物のようなカラフルで個性の強い展示がしてあります。 それだけだとお互いケンカしそうですが、照明の演出の効果なのか、全く気にならないのです。 建物に負けない展示です。 続いて次の部屋に入ると、こちらは別世界。 入った瞬間に、思わずわあっと声が漏れました。 いくつもの照明が吊ってあり、それはそれは美しかったです。 写真で伝わりきらないのが残念。。 室内の壁に鏡もあるのでより奥行きが出ていました。 オブジェ・ノマド・コレクションの展示がされています。 ※「オブジェ・ノマド」インテリアコレクションは、著名なデザイナーたちが、ルイ・ヴィトンの歴史あるバッグのデザインからインスパイアして家具や照明器具をデザインするというコレクション。日本人だとnendoと吉岡徳仁が照明や椅子をデザインしています。 私はこの貝殻のようなソファがお気に入りです。 座りたい。 「Bomboca Sofa」 フェルナンド&ウンベルト・カンパーナ 他の個室ではその家具に合わせた演出で展示がされていました。 家具の形状のゆらめきと青い光のゆらめきが相まって綺麗です。 こちらの部屋では三角形の鏡の反射が空間に使われ可愛かった。 もちろん鏡も家具もコレクションの一部です。 家具も三角形のあるものをチョイスして合わせたのかな? ルイヴィトンだけでも見応えのある展示で、1日目は時間が少なかったですが充実した気持ちになれました。