【ミライデザイン研究所】空間におけるコラージュ表現の可能性-前編-
2022.12.20
クリエーティブ本部 デザイナーのMです。 【ミライデザイン研究所】とはーーー 空間デザインの領域から一歩外に飛び出し、 考え方やデザインの成り立ちについて考察、 予想し、アイデアにプラスしていく、そんな企画です。 今回のトピックは、世界に誇る日本の建築家が手掛ける建築物である、 隈研吾氏「サニーヒルズ南青山」と藤本壮介氏「東京アパートメント」の2つをお届けします。 一般的に「設計=エンジニアリング」「デザイン=見た目の形作り」と別のプロセスとして捉えられてしまうことが度々あります。 しかし、課題を解決する設計とそれに相応しいデザインを合わせた「ものづくり」という観点では、 どちらも必要不可欠であり、別々に捉えてはいけません。 そのプロセスの中で大切な「意匠」と「環境」で、この二つの空間における融合について考察していきます。 【サニーヒルズ南青山】 こちらは隈研吾氏が手がけた「サニーヒルズ南青山」 外観のデザインが特徴的で、伝統的な日本の木工技術「地獄組」と呼ばれる木製建具の接合システムを建築の内外に拡張した建築物です。 使われている木材は装飾でもあり各階の床を支える構造体で、静かな住宅街の中でも異彩を放っています。 木材が複雑に絡みあっていますが、一定の法則に従って組み込まれています。 これは人間が心地よいと感じる「ゆらぎの法則(1/f f:振動の多さ)」に近いものがあると感じました。 自然と目に入り、惹かれて、一度見たら忘れさせないデザインです。 内部は森の木漏れ日のような静かな空間が広がっており、中で過ごす人に居心地の良さを感じることができます。 最寄駅の外苑前駅から徒歩10分、表参道駅から徒歩15分の住宅街にある建築物(現在はケーキショップ)だが、その独特な外観から外国人などの観光客が非常に多く訪れていました。 ※隈研吾氏「サニーヒルズ南青山」概要※ ・東京都港区にある建物である。 ・60mm角のヒノキによる「地獄組み」と呼ばれる木組みは、単なる装飾ではなく、床や屋根の荷重を支える構造体でもある。 ・現在はケーキショップとして使用されている。