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【ミライデザイン研究所】Chim↑Pom展で体験した 社会問題への強烈なアプローチ -後編-

インサイドジール 日本語記事

クリエーティブ局 デザイナーのIです。 【ミライデザイン研究所】とはーーー 空間デザインの領域から一歩外に飛び出し、 考え方やデザインの成り立ちについて考察、予想しアイデアにプラスしていく、そんな企画です。 前編に引き続き、現在森美術館で開催中の「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」についてお届けします。 この企画を体験して感じた下記2点、 ①Chim↑Pomの作品・企画構成について ②作品のメッセージをより強める空間での工夫 のうち、後編では②についてお送りします。 ②作品のメッセージをより強める空間での工夫 前述したような作品やプロジェクトが与えるメッセージを強めるために、空間もとても大きな役割を担っているなと感じました。 いくつか空間や展示について感じた工夫を紹介させていただきます。 ◆くらいんぐみゅーじあむ(託児所) 展示会場に入るとまず目に入ったのは、「くらいんぐみゅーじあむ」という託児所でした。 Chim↑Pomメンバーと同世代の子育て事情から着想を得た新プロジェクトで、 より多くの子育て中の方々が気軽に美術館を訪れアートを鑑賞することができるようになることを目的としたものです。 美術館に限らず、子育てしている方々にとって配慮しきれていない施設やコンテンツは多くあるかと思いますが、 なかなかその事実に目を向けるきっかけはありません。 こういった「普段目が向きにくい事象」をこういった形で作品として可視化させ解決することで、 現在子育てされている方々が、アートにより集中できるのはもちろん、 子育てを経験していない私も普段なかなか目につきにくい世の中の問題や不便さに目を向けることができました。 ◆道 本展示会は、展示会場の1フロアの真ん中に床が作られており、前述した「Sukurappu &Birudo」の展示を抜けると、 上にはさらにフロアが広がっていて「道」というプロジェクトが展開されています。 この「道」はこの展示会のために建築家の周防貴之氏と共に構想・着想された 大規模なサイトスペシフィック・インスタレーション(その空間を生かして制作する表現)です。 このプロジェクトでは「拓かれたアスファルトの区画を運営し、道を育てる」というコンセプトのもとに 道を育てる「運営者」を募りそれぞれの独自の「運営」によって「道を育てる」ことを目的としています。 実際にこの「道」ではダンスやイラストなどのパフォーマンスをしている人がいたり、 ただただ寝転がっている人がいたり、俳句の公募がされていたりなど様々な「表現」が行われていました。 この「道」というプロジェクトは日々変化し、私たちに「公共」という言葉の意味を改めて問いかけます。 参加型の展示や企画は多くありますが、空間を分断し、その上に道を作り、 さらにそこに一般の方々が募りそれぞれの「表現」を展開するという一連の流れは、 参加型の展示としての一種の「究極形」のように感じました。 ◆ゴールド・エクスペリエンス こちらは「ゴールド・エクスペリエンス」という巨大なバルーンの立体作品で、 2012年、東京渋谷にて行われた個展にて発表された作品です。 渋谷のゴミが増加していることに目を向けさせることを目的とした作品となっており、 実際に中に入ることで普段ゴミを捨てる側の自分自身がゴミになってしまうという内容です。 こちらの展示と合わせて、それぞれの都市にある環境などの問題の原因物質をゴミ袋に採取し、 ゴミ出しとして捨てるパフォーマンス映像なども制作されていたそうです。 こういった社会問題は普段目を背けがちで、ポスターや演説などで一時的に目や耳に入ったとしても なかなか改めて考えるきっかけにはなりません。 しかしこの「ゴールド・エクスペリエンス」では巨大なモチーフにて目を引き、 さらに中に入るという「空間的工夫」により「体験」を生み、より大きなインパクトを人々に与え、考えさせるきっかけを作ります。 ◆まとめ 今回は「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」の内容を通して、 社会問題に対する企画や空間でのアプローチに触れさせていただきました。 ただ作品を展示する場合は、作品を見ている間は色々と考えたり、 感動はあるかもしれませんが、その場限りのものになってしまいがちです。 「Sukurappu& Birudoプロジェクト」のような「ストーリー性のある企画」や 「道」「ゴールド・エクスペリエンス」などの「空間をダイナミックに使った展示」は人々を振り向かせ、 その問題について考えられずにはいられなくなるような衝撃を鑑賞者に与えます。 こういった「強引なほどのアプローチ」が「Experience Design」を生むのかもしれないと思いました。 また、ご紹介させていただいた「くらいんぐみゅーじあむ」により、 小さなお子様のいる方でも安心してアートに集中できる環境作りがされていたり、 作品完成までの流れや出来事などが記載された年表が各エリアに配置されていて、 背景を知った上で鑑賞することで、鑑賞者側が作品のメッセージをより細かな部分まで感じ取れるようになっていたりと、 自分達の作品に集中させ「メッセージが伝わりやすい環境づくり」が徹底されているなと感じました。 ご紹介した展示は、5月29日まで森美術館で開催されております。 今回紹介しきれなかった作品はもちろん、前述した「道」については日々変化しさらなる盛り上がりを見せているかと思います。 気になった方はぜひ実際に体験してみてください。 ■参考 ・「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」公式サイト:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/chimpom/ ・Chim↑Pom公式サイト:http://chimpom.jp/

JPSA公認プロ 秋本 祥坪選手とスポンサー契約を締結

Sponsorship お知らせ 日本語記事

株式会社ジールアソシエイツ(本社:東京都中央区、代表取締役:永門 大輔)は、 この度、プロサーファー秋本 祥坪(あきもと しょうへい)選手とオフィシャルサポート契約を締結しました。 秋本選手は2006年にJPSA公認プロ資格を取得し、2008年JPSA第3戦の辻堂CUPでプロ初優勝を収めました。 現在はJPSA(日本サーフィン連盟)とWSL(ワールドサーフリーグ)主催のコンテストを中心に、 日本だけでなく世界中のコンテストに参戦し、世界で活躍出来る日本人になることを目標としています。 日本国内での年間グランドチャンピオン、そして世界チャンピオンを夢見て 日々トレーニングや練習に励んでいる秋本選手のこれからの活躍を、ジールアソシエイツはサポートしていきます。 ◆選手プロフィール プロサーファー 秋本 祥坪 HP:http://shohei.surf/ 1985年8月25日生まれ 宮崎県出身

【ミライデザイン研究所】Chim↑Pom展で体験した 社会問題への強烈なアプローチ -前編-

インサイドジール 日本語記事

クリエーティブ局 デザイナーのIです。 【ミライデザイン研究所】とはーーー 空間デザインの領域から一歩外に飛び出し、 考え方やデザインの成り立ちについて考察、予想しアイデアにプラスしていく、そんな企画です。 今回のトピックは、現在森美術館で開催中の「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」についてです。 Chim↑Pom(チンポム)は、独創的なアイデアと卓越した行動力で社会に介入し、 我々の意表を突くプロジェクトを多く手がける、アーティスト集団です。 日本社会や原爆、震災など現代社会の事象や諸問題に対して強いメッセージを持つ作品を生み出し続けています。 今回の展示では、結成17周年を迎えるChim↑Pomの初期から近年までの代表作と今回の展示のための新作、 計150点が一挙に並ぶ初の本格的回顧展となっています。 展示はいくつかのテーマごとにエリア分けされており、様々な工夫がなされたダイナミックかつ思い切りの良い展示構成により、 作品一つ一つにスポットが当たるような展示会となっていました。 今回はこの企画を体験して感じた下記の2点について考察してみたいと思います。 ①Chim↑Pomの作品・企画構成について ②作品のメッセージをより強める空間での工夫 ①Chim↑Pomの作品・企画構成について 私は、本展示にて初めて「Chim↑Pom」の作品や活動について知ったのですが、 圧倒的かつ独創的な企画構成・作品作りにとても刺激を受けました。 そこで、数ある展示の中でも私が特に刺激を受けた作品・企画について、いくつかご紹介させていただきます。 ◆Sukurappu ando Birudoプロジェクト -ビルバーガー- この写真は「ビルバーガー」という作品で、「Sukurappu& Birudoプロジェクト」というプロジェクトにて展示された作品の一つです。 「Sukurappu ando Birudoプロジェクト」とは2021年に開催された東京オリンピックに向けて、 急速に再開発が進む東京の都市の姿を「スクラップ&ビルド」をテーマに描くプロジェクトです。 このプロジェクトの内容の一つとして、Chim↑Pomは解体が決まっていた新宿の歌舞伎町商店街復興組合ビルを舞台に 「また明日も見てくれるかな?」展を開催しました。 この展示では、前述したように「急速に再開発が進む東京の都市の姿」を問題視し訴えかける作品が10数点展示され、 地下スペースにてパーティイベントも行ったのち、展示会終了後の2017年1月に同ビルは展示作品もろとも取り壊され、 その瓦礫と作品の残骸を次回の「道が拓ける」という高円寺にて行われた展示で、"新作として"発表しました。 このプロジェクトは全てChim↑pomの自費かつ自主運営で行われ、その全貌は書籍「都市は人なり」にまとめられました。 プロジェクト名の「スクラップ&ビルド」が和製英語であることから、敢えてローマ字表記になっています。 作品一つ一つに都市開発に対して問いかける強烈なメッセージ性があり、それだけでもとても考えさせられるものがありました。 それを敢えて解体の決まったビルで展示を行い、作品もろとも取り壊され、 さらにそれを作品として見せるという「ストーリー性のある企画構成」により、 当時一連の流れを体験した方々の受けた衝撃は計り知れないな、と感じました。 ◆リアル千羽鶴 これは「リアル千羽鶴」という作品で、名前の通り千羽鶴を集め、巨大な鶴を模した作品です。 こちらは個人や団体からの発注で1羽ずつ製作され、最終的には千羽鶴と同様に1,000羽作るという目標をコンセプトとしています。 中でも、広島にて行われた「Non-Burnable」というプロジェクトでは、 広島に送られてくる大量の千羽鶴をメンバーであるエリイさんが元の折り紙に戻し、 中に書かれたメッセージ等を読む様子を録画したビデオと共に、 それをまた折り鶴へと観客に折り直させるワークショップを展開しました。 こちらも前述のプロジェクトと同じく、折り紙に戻した鶴を観客に再度折り直させることで「行動」を通して ただ見せるよりもはるかに大きなインパクトやメッセージを観客に与えたのではないかと思います。 平和、というありふれているからこそ伝えることが難しいテーマに対して、 こういった角度・内容でアプローチを続ける姿勢にはとても刺激を受けました。 (後編に続きます) ■参考 ・「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」公式サイト:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/chimpom/ ・Chim↑Pom公式サイト:http://chimpom.jp/

【スポンサー活動情報】 田岡 なつみ選手 ロングボード開幕戦で優勝!

Sponsorship お知らせ 日本語記事

当社がオフィシャルサポート契約を締結しているプロサーファーの田岡 なつみ選手が、 2022年4月4日(月)から9日(土)まで千葉県長生郡一宮町 釣ケ崎海岸で開催された 【Surfing for all がんばろう日本!】JPSA2022 さわかみ Japan Pro Surfing Tour ロングボード第1戦 さわかみ 一宮プロで優勝しました。 決勝は干潮の時間帯と重なって、技を入れるタイミングを探るのが難しい中、 どこで技を入れるのか、選手の判断が勝敗を分けました。 世界を意識して自己改革をしている田岡選手は、小さな波でも戦える力を手に入れるため ピラティスなどで体幹を鍛えたことで自然体でサーフィンができるようになったようです。 開幕戦を見事優勝で飾った田岡選手。 グランドチャンピオンの座を獲得した昨シーズンに続いて今シーズンの活躍にも期待が高まります。 引き続き、ジールアソシエイツは勝利に向けて努力を続ける 田岡選手のこれからの活躍に期待し、応援ならびにサポートをしてまいります。 写真引用:SURFMEDIA JAPAN 大会最終日レポート記事 ◆選手プロフィール 田岡 なつみ JPSA公認プロロングボーダー・ショートボーダー 1994年8月12日生まれ 千葉県出身 桜美林大学リベラルアーツ学群卒業

コーポレートロゴの一時変更に関するお知らせ

お知らせ 日本語記事

平素は格別のお引き立てをいただき厚くお礼申し上げます。 この度、現在の世界情勢を鑑み、終息と平和への願いを込めて、一時的にデザインの変更をすることと致しました。 従来のロゴマークは「驚き」と「感動」をモチーフに、 「熱意、熱情」を意味する社名の”ZEAL”の頭文字を中心に据え、「体験」を通して心に炎を灯す瞬間を表しておりました。 新しいロゴマークは、ジールアソシエイツの”ジ”を吹き出しの中にあしらいました。 ロゴに込めた想いは変わらず、今後もジールアソシエイツは”これまでにない体験”をご提供できるよう、 情熱をもって、「感動」「共感」「共有」が巻き起こる「体験」をデザインしてまいります。 【株式会社ジールアソシエイツ 概要】
 本社 東京都中央区築地2-3-4 築地第1長岡ビル2F
 設立 2004年1月23日
 代表取締役 永門 大輔
 事業内容 ”体験”に特化したハイブリッド(リアル&デジタル)プロモーションの企画・制作・開発
 HP https://www.zeal-as.co.jp
 Facebook https://www.facebook.com/ZEALAssociates 【本件リリースに関するお問い合わせ先】
 株式会社ジールアソシエイツ コーポレート本部 広報・宣伝担当
 東京都中央区築地2-3-4 築地第1長岡ビル2F 
Tel : 03-6264-2690 / Fax : 03-6264-2693
 E-mail : kanri@zeal-as.co.jp

【ミライデザイン研究所】 浮世絵という素材で見せる スピリット・オブ・ジャパン -後編-

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クリエーティブ局 デザイナーのOです。 【ミライデザイン研究所】とはーーー 空間デザインの領域から一歩外に飛び出し、 考え方やデザインの成り立ちについて考察、予想しアイデアにプラスしていく、そんな企画です。 前編に引き続き、現在角川武蔵野ミュージアムで開催中の「浮世絵劇場 from Paris.」についてお届けします。 江戸時代初期に庶民の間にも浸透した「浮世=現世」を表す絵画、浮世絵は 今で例えるとSNSなどの、誰もが楽しめる身近なメディアだったようです。 時代を超え、ヨーロッパに渡ったあとも、ゴッホやモネなどの著名な画家たちに大きな影響を与えたと言われています。 今回の展示では浮世絵劇場というタイトルの通り、展示室は大きな劇場と化しており、 360°を浮世絵を再構築した映像が映し出されていました。 この企画を体験して感じた下記2点、 ①浮世絵を再構成して見せることの意味 ②没入感の高い体験を生んでいる空間の工夫の考察 のうち、後編では②についてお送りします。 ②没入感の高い体験を生んでいる空間の工夫の考察 先述したような没入感の高さを生んでいる要因はもちろん映像だけでなく、空間の役割も大きいように感じました。 この企画の会場構成は以下のようになっています。 360度シアターは第一部、それを鑑賞した後に第二部ではダニーローズ・スタジオがインスピレーションを受けた作品の紹介や、 現代作家たちが描く新たな浮世絵などの展示となります。 ◆前室 この企画の概要を解説したり、注意事項の説明を受けるための部屋です。 それと共に第一部での360度シアターへの期待感を高めるための仕組みでもあります。 ほかの一般的な展覧会などでは、入場するとすぐ展示品が目に入ってくるようなところ多くあるかと思います。 しかしこの企画ではあえて前室と第一部のシアターエリアまでに長い廊下を設置する事で、 このあと目に飛び込んでくるインスタレーションのインパクトをより大きなものにしているのです。 ◆第一部_360度シアター メインの展示であるインスタレーションのエリアとなります。 長い廊下を抜けた先に、巨大な空間が目に飛び込んでくる際のインパクトはかなり大きいものでした。 鑑賞者はこの広い空間を自由に移動しながら楽しむことが可能です。 映像が投影される壁面に近づいても良し、中央の柱の間に設置されたベンチで広い範囲をゆったりと眺めながら鑑賞することも良し。 決まった体験の仕方は存在しないのです。 そうした自由な鑑賞方法をとりつつも、ほかの鑑賞者の邪魔をしないテクノロジーや空間の工夫に幾つか気付きました。 一つはベンチや柱の仕様です。 柱の側面位置や人の座るベンチなど、どうしてもプロジェクションマッピングによる映像を投影することが難しい箇所が存在します。 今回の展示ではそのような箇所にミラー素材を貼ることによって、 実際には映像が投影されていない場所にも空間の奥行きが感じられるように、設計されていたのだと思います。 もう一つがプロジェクターの設置台数、そして位置です。 自由に位置を移動して鑑賞するという事は、移動する位置によっては投影する映像を遮り、影になってしまう可能性があるという事です。 それを解消するために、今回の展示では緻密な計算の基にプロジェクターの位置が決定されたのではないかと思います。 実際に壁の近くに立ってみると、確かに床の映像は影になっていますが、 壁の映像は人が立っていても影になってしまうことはありません。 もちろん場所によってはそうではない箇所もありますが、かなり細かく投影する角度を検証しながら決定していったからこそ、 座って鑑賞する人たちのことも邪魔することなく、移動しながら鑑賞できる、没入感を実現できたのではないでしょうか。 ◆第二部 最後に、この展示に関連する浮世絵などの情報が知れる展示エリアとなります。 以前ご紹介した「北斎づくし」の映像作品では、 「事前に実物を鑑賞したからこそ、映像を見た時の理解度が上がる」という事をお話しましたが、 こちらのやっていることは真逆です。 北斎づくしの映像作品は「理解を深めたうえで、更に鑑賞者を引き込ませるためのツール」という立ち位置だったのに対し、 今回の展示の趣旨は「まずは小難しいことは考えずに、 ファーストインパクトで浮世絵のすばらしさを知ってほしい」だったのだと思います。 元々浮世絵というものに興味のない人でも、親しんでもらおうとする姿勢が、このような展示のゾーニングに繋がっています。 実際に会場に足を運んだ際も、映像を見終わった後に詳しい情報を入れることで、一歩先の理解につながるような感覚がありました。 目的やターゲット、企画の趣旨によってゾーニングを変えていく事で、 体験の質そのものが変化していくことの良い例なのではないでしょうか。 ◆まとめ 今回は映像を使ったインスタレーション作品の企画展について、分析や所感を述べさせていただきました。 ただ作品を展示をするだけではなく、より没入感の高い経験を鑑賞者にしてもらうことによって、 記憶に残すような手法を用いることが増えていますが、 それもただ映像を使うだけだったり、体験を入れ込むだけでは質の高い体験や没入感は生まれません。 鑑賞者の動きや展示の趣旨、伝えたいことを軸に置いたうえで、それに沿った空間設計、コンテンツ作成をする必要性があると思います。 それこそが「Experience Design」であるのではないでしょうか。 ご紹介した展示は、5月8日まで会期を延長して、角川武蔵野ミュージアムで開催されております。 今回の記事ではご紹介できなかった映像作品の他の幕や、第二部の展示内容もありますので、ぜひ実際に体験してみてください。 ■参考 ・公式サイト:https://kadcul.com/event/50 ・美術手帳 オンラインマガジン:https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/24767

【ミライデザイン研究所】 浮世絵という素材で見せる スピリット・オブ・ジャパン -前編-

インサイドジール 日本語記事

クリエーティブ局 デザイナーのOです。 【ミライデザイン研究所】とはーーー 空間デザインの領域から一歩外に飛び出し、 考え方やデザインの成り立ちについて考察、予想しアイデアにプラスしていく、そんな企画です。 今回のトピックは、現在角川武蔵野ミュージアムで開催中の「浮世絵劇場 from Paris.」についてです。 浮世絵は江戸時代初期に確立された絵画ジャンルです。 低価格で販売されたことから庶民の間でもかなり浸透し「浮世=現世」を表す絵画と言われました。 今で例えるとSNSなどの、誰もが楽しめる身近なメディアだったようです。 時代を超え、ヨーロッパに渡ったあとも、ゴッホやモネなどの著名な画家たちに大きな影響を与えたと言われています。 今回の展示ではそんな浮世絵をテーマとしていますが、有名な浮世絵の実物が展示されているわけではありません。 浮世絵劇場というタイトルの通り、展示室は大きな劇場と化しており、360°を浮世絵を再構築した映像が映し出されます。 この企画はフランスで活躍するクリエイティブチーム「ダニーローズ・スタジオ」が フランス国内で行った企画「Images of the Floating World」をもとに、パワーアップさせて浮世絵の国日本へ凱旋しています。 今回はこの企画を体験して感じた下記の2点について考察してみたいと思います。 ①浮世絵を再構成して見せることの意味 ②没入感の高い体験を生んでいる空間の工夫の考察 ①浮世絵を再構成して見せることの意味 前述したようにこちらの企画は浮世絵をテーマにしてはいますが、 実際の有名とされる日本の古くからある浮世絵の展示はしておりません。 来場者が空間に入っていくと広がっているのは360°全て映像が投影される、インスタレーション空間です。 全12幕のシーンに分かれ、多くの人に親しまれてきた浮世絵の数々を再構成した、映像作品が大きな空間に映し出されます。 浮世絵劇場というタイトルだったため、私も足を運び鑑賞する前には 「一幕ごとに同作者や同じ作品群のものをまとめているのではないか」と思っていたのですが、実はそうではありません。 第一幕を鑑賞した際に、「再構成した」という言葉の意味を知ることになります。 ◆一幕「風景」 オープニングに流れるのは、葛飾北斎や歌川広重などの風景画をメインとした映像です。 富嶽三十六景、諸国滝巡り、東海道五十三次などの膨大な数の作品たちが、屏風が開いていくように現れては消えてゆきます。 有名浮世絵を単にスライドショーで見せるだけにはとどまらず、屏風というモチーフと組み合わせることで、 鑑賞者に空間を感じさせ、一気にこの空間の中に引き込ませる工夫だと感じました。 また、足元に広がるのは北斎がよく水の表現をする際に用いていた、揺らめきの文様です。 壁面に広がる屏風の背景にもこちらを用いており、空間をより広げ、鑑賞者の没入感を深める役割を果たしていたように思います。 そして何より、この絵を一枚の絵として見せたのではなく、「背景や足元に投影することによって、 没入感を増すための素材として使った」ことに、今回の展示の意義が詰まっているように感じました。 浮世絵の魅力を見せる。 そのためには浮世絵そのものを見せるのではなく、浮世絵の素晴らしい部分を抜粋して、映像として再構成する。 ダニーローズ・スタジオが「スピリット・オブ・ジャパン」を表現する際に最も意識した点がこれなのではないでしょうか。 ◆第三幕「日本の妖怪たち」 浮世絵を「素材」として用いて新たな浮世絵の魅力を伝える、というのが最も強く表現されていたと感じるのがこの第三幕です。 舞台は一変して、薄暗い森へ。木々が生い茂る森の中でよく目を凝らしてみれば、木の陰から妖怪たちが飛び出してきます。 もちろんこれも、元々一つの作品ではありません。 それぞれの作品がある中で、愛らしい妖怪のキャラクターを抜粋し、映像素材として用いたものです。 基の作品の状態とは全く異なる「場」で鑑賞することによって、彼らの新たな表情や魅力を発見することが出来ます。   また、この360度シアターという場を生かしていると感じたのは、 「鑑賞する場所によって遭遇できるキャラクターが異なる」という点かと思います。 同じところに立ち止まっていたのでは、遭遇できる妖怪の数は限られます。 森の中を歩くように、観賞場所を移動していく事によって、多くの気付きや新たな出会いを得ることが出来るのです。 その他のシーンも魅力的で、どれも浮世絵のすばらしさを再認識できるものとなっていたので、 気になる方はぜひ足を運んでみて、実際の映像を楽しんでいただければと思います。 (後編に続きます) なお、ご紹介した展示は、2022年5月8日まで会期を延長して、角川武蔵野ミュージアムで開催されております。 今回の記事ではご紹介できなかった映像作品の他の幕や、第二部の展示内容もありますので、ぜひ実際に体験してみてください。 ■参考 ・公式サイト:https://kadcul.com/event/50 ・美術手帳 オンラインマガジン:https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/24767

第1回 大阪・関西万博 開催支援EXPO出展のお知らせ

お知らせ 日本語記事

株式会社ジールアソシエイツ(本社:東京都中央区、代表取締役:永門 大輔)は、 3/15~3/16にインテックス大阪で開催される「第1回 大阪・関西万博 開催支援EXPO」に出展いたします。 展示会URL:https://osakakansai-expo.jp/ 当社は、来たる2025年の大阪・関西万博に向けて、2020年に大阪の営業拠点「OSAKA BASE」を開設しました。 今後も様々な方との繋がりを増やし、「情熱をもって創る」という理念のもと、関西圏のさらなる発展に貢献していければと考えております。 当社制作工房「FUNABORI BASE」においては、大型UV出力機を今年新たに導入し、 幅3.2mまでの大判印刷、ならびに布素材の出力や、透明フィルムへの白インクのプリントが可能になりました。 同時に業務用ミシンも導入し、布出力製品の縫製加工も工房内で行っています。 今回のブースでは、その設備で制作した大判ファブリックと、繰り返し使用可能なアルミフレームで壁面を構成します。 壁面全体に継ぎ目なく掲出できるグラフィック面で、BtoB案件からエンターテインメント領域まで、 当社の2004年の創業期から幅広く積み重ねてきた実績をご紹介してまいります。 また2025年は、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」達成の目標年である2030年まで残り5年となり、 実現に向けた取り組みを加速するのに極めて重要な年とされています。 その年に開催される大阪・関西万博は、SDGsを2030年までに達成するためのプラットフォームになるとのことで、 本展示会のブースでは、当社のSDGsの取り組みについてもご紹介いたします。 ぜひ弊社ブースにお立ち寄りいただけますと幸いです。 ブースにてお会いできますことを心よりお待ちしております。 ■開催概要 名称:第1回 大阪・関西万博 開催支援EXPO 会期:2022年3月15日(火)〜16日(水) 10時〜17時 会場:インテックス大阪 4号館 ブース番号2-6 入場:無料 【株式会社ジールアソシエイツ 概要】 
本社 東京都中央区築地2-3-4 築地第1長岡ビル2F
 設立 2004年1月23日 
代表取締役 永門 大輔
 事業内容 ”体験”に特化したハイブリッド(リアル&デジタル)プロモーションの企画・制作・開発
 HP https://www.zeal-as.co.jp
 Facebook https://www.facebook.com/ZEALAssociates 【本件リリースに関するお問い合わせ先】 
株式会社ジールアソシエイツ 営業本部 
東京都中央区築地2-3-4 築地第1長岡ビル2F
 Tel : 03-6264-2691 / Fax : 03-6264-2693
 E-mail : otoiawase@zeal-as.co.jp

【ミライデザイン研究所】「2121年 Futures In-Sight」展 -後編-

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クリエーティブ本部 デザイナーのSです。 【ミライデザイン研究所】とはーーー 空間デザインの領域から一歩外に飛び出し、 考え方やデザインの成り立ちについて考察、予想しアイデアにプラスしていく、そんな企画です。 前編に引き続き、東京ミッドタウン・ガーデン内21_21 DESIGN SIGHTにて開催されていた 「2121年 Futures In-Sight」展についてご紹介します。 本展は未来を思い描くだけではなく、考え方や物の見方を、多様な参加者たちとともに“可視化”していくものです。 参加者はデザイナーやアーティスト、思想家、エンジニア、教育機関、研究者など多岐にわたり、 様々な視点から未来への考え方を知ることができる場となっています。 自由な動線と様々な観点からの作品があるにも関わらず、来場者を困惑させない2つの要素 1.自由動線でも成立している理由 2.”未来”に没入させる展示方法 のうち、後編ではポイント2.についてお送りします。 2."未来"に没入させる展示方法 階層を分ける 「21-21 DESIGN SIGHT」は地上1階地下1階の低層建築になっています。 こちらは階段を使用して地下に降りた先にある最初の作品でした。 本来最初の作品の近くに展示されている”ごあいさつ”ですが、本展では地上1階に展示され、作品は地下1階から始まります。 階層が分けられ、突如作品が目に入ることで、来場者にとって”没入感”を与えるものとなっているのではないでしょうか。 パネルとグラフィックの位置 また、最初の展示ゾーンには”歴史を歩く”というテーマが設けられています。 パネルを”目線の高さ”に合わせることで、歩きながらもストレスなく作品を鑑賞することができるようになっていました。 もう少し細かく見ていくと、グラフィックの構成で日付やタイトル毎に高さを合わせています。 これもまた目線を一定にする要素となっています。 もしこのパネルが大きく別々に展示されていたら、来場者は立ち止まり流れが悪くなることが想像できます。 メイン会場では”未来を一緒に考察する”というテーマになっています。 先ほどの目線に合わせる方法を用いた”歴史を歩く”展示ゾーンとは異なり、四角柱には満遍なく文字情報が掲示されています。 足元や高い場所にあると読みにくいと感じるかと思いますが、これにより視線が上から下まで向けられるようになります。 普段考え事をする時に、何気なく上を見ることがあるのではないでしょうか。 実際に私も、上に掲示されている文章を読んでいる時は 「そういった未来もあるのか」「私ならこう考えるな」などの思考回路になっていました。 下部にも掲示することで、しゃがみながら考え込む人もいました。 このように視線の幅を広くすることで、考えることに対して視野が広がり、作品に没入することができます。 また、会場全体はモノクロに統一されています。 多くの企画展ではイメージカラーやメインとなる作品があるのに対し、メインとなる作品がないことはもちろん、 余計なイメージを与えてしまうと、来場者にとって”考える”という行為に”弊害”が生まれてしまうかもしれません。 赤は”情熱”、青は”爽やか”など、生活する上で何気なくイメージが浮かび上がってしまいます。 モノクロにすることで色彩からイメージを与えず、来場者に”想像する”余地を与えることができます。 それもまた没入感へ繋がっていると感じました。 このように1つの企画展でも、テーマが異なることで展示方法も変わってきます。 来場者に伝えたいことを明確にすることで、これらは解決できるのではないでしょうか。 まとめ 今回は大きく2つの視点から本展を成り立たせる体験設計について書かせていただきました。 空間デザインをしていく上で、体験設計を考えることは大事であると考えています。 羅針盤がフロアマップとなっていたことや、四角柱の展示において高さを持たせることで回遊を促していたことは、 自由動線でも成立していた要素となっています。 自由動線であることで、来場者自らが情報を取得する構成になっており、 それが今回の没入体験に繋がっていると気づくことができました。 また、その没入体験をストレスなく実現するために、 パネルの位置をテーマによって変化させることや会場全体をモノクロで統一すること、 ランダムに配置された四角柱など様々な工夫が見られました。 体験設計を踏まえ、レイアウト設計を企画書などに明記することは多いですが、 本当の意味での体験設計とは来場者の”主体性を尊重する”ことかもしれません。 展示会や内装、バーチャル空間などにおいて、 このような視点から体験設計を考えてみると、また新しい提案に繋がるのではないでしょうか。

【ミライデザイン研究所】「2121年 Futures In-Sight」展 -前編-

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クリエーティブ本部 デザイナーのSです。 【ミライデザイン研究所】とはーーー 空間デザインの領域から一歩外に飛び出し、 考え方やデザインの成り立ちについて考察、予想しアイデアにプラスしていく、そんな企画です。 今回は東京ミッドタウン・ガーデン内21_21 DESIGN SIGHTにて開催されていた「2121年 Futures In-Sight」展についてご紹介します。 本展は未来を思い描くだけではなく、考え方や物の見方を、多様な参加者たちとともに“可視化”していくものです。 参加者はデザイナーやアーティスト、思想家、エンジニア、教育機関、研究者など多岐にわたり、 様々な視点から未来への考え方を知ることができる場となっています。 未来の考え方を知る”様々な視点”を2つの作品を例に挙げてご紹介します。 タイトル  Imaginary Dictionary-未来を編む辞書 概要  過去30年の新聞記事データを学習したAIが、未来の可能性から作り出される言葉を生成します。 考察  AIと聞くと堅苦しいイメージがありますが、この作品で表示されていた未来の言葉には「差別麦」「カーテン哲学」など、 今ある言葉が組み合わさったものが多く見られました。 思わず笑ってしまうものばかりだったので、私も未来の言葉を考えたい気持ちにさせられます。 全く異なる要素を掛け合わせることは、クリエイティブの分野でもよく使われています。 新しいものとは、何かと何かを掛け合わせることで生まれるものであると感じます。   タイトル  "e-lamp.”-心を、光で、可視化する。 概要  自身の指を作品にかざすことで心臓の動きを感じ、心拍が光になって点滅を繰り返す。 考察  もし心が可視化されたら日常にどのようなコミュニケーションが生まれるのでしょうか。 プレゼン時や恋人といる時の”ドキドキ”が可視化されたら少し恥ずかしい気持ちもありますが、 それを知った時の相手の行動に変化が生まれることで、現在とはまた違ったコミュニケーションになるのではないでしょうか。    また、本展は来場者が自由に巡回できるものとなっています。 それにも関わらず、次の目的地へと困惑することもなく作品を鑑賞できました。 自由な動線と様々な観点からの作品があるにも関わらず、来場者を困惑させない要素とは何なのでしょうか。 大きく2つの視点から、どのような体験設計をつくっているのかについて深掘りしていきます。 1.自由動線でも成立している理由 2.”未来”に没入させる展示方法 今回の前編ではポイント1.についてお送りします。 1.自由動線でも成立している理由 作品を鑑賞する際、動線をあえて設けないことで来場者を自ら行動させることができます。 しかし自由に行動できるが故に、そこには自発的に行動させるための何かしらの工夫が必要になってきます。 羅針盤が生み出す動線計画 入り口を真っ直ぐ進むと、左側に大きな羅針盤が見えてきます。 「Future Compass」というこの羅針盤は、3層の円盤から構成され、 21のキーワードを自由に組み合わせることで自身のオリジナルの”問い”を導き出すことができます。 壁面に大きく展示されることで、本展にとって大きな役割を担っていることが伝わってきます。 スマートフォンやタブレットでQRコードを読み込むと、 画面上にも羅針盤が表示されて操作することができるようになっています。 くるくると回しながら3つのキーワードを繋げることで、1つの作品が表示されます。 それは次に鑑賞する作品で、目的地を提示してくれるのです。 この一連の流れの中で毎回異なるパターンが表示され、来場者の足を止めることなく誘導することができるものとなっていました。 本来であればパンフレットから作品概要やフロアマップを伝えるところを、 スマートフォンやタブレットを用いることで、来場者によって異なる鑑賞方法を作り出し、”自由な動線”が生まれています。 ▲羅針盤を操作して作品に行くまでの流れ 四角柱が生み出す動線計画 モノの変化を可視化する四角柱「タイムモノリス」は、100年という時間軸を高さに置き換えられたものです。 その高さは約3mにも及びます。展示物と天井の区別がなくなり、まるで森の中を彷徨っているような感覚になりました。 さらには展示物がランダムに配置されていることで会場全体に死角が生まれます。 遠くの作品はその場からの認識が難しく、羅針盤から提示された作品に一直線でたどり着くことはできません。 その間に惹かれる作品には立ち止まり、結果的に新たな鑑賞方法が生まれます。 これもまた、巡回を促す要素となり、自由な動線を作り出しています。 (後編に続きます)