オンライン美術館の例を元にオンラインとリアル空間の魅力を考える

インサイドジール

クリエーティブ本部 クリエーティブ局 デザイナーの石井です。

 

緊急事態宣言が出されて以降、いろいろな業界や企業が試行錯誤してwithコロナと向き合っています。
その1つである、美術館や博物館も様々な施策をしていて、もう広く知られているオンライン美術館があります。
『Google Arts & Culture』のオンラインでルーブル美術館やオルセー美術館、メトロポリタン美術館など、世界中の美術館を廻れてしまうサービスです。

参照元:『Google Arts & Culture』https://artsandculture.google.com/?hl=ja

 

参照元『Google Arts & Culture』より

 

実はこのサービスは2011年という、9年前からスタートしているサービスでした。
あまり知られていなかったものが外出自粛をきっかけに一気に広まったのではないでしょうか。

現在では46の美術館の32,000点以上の作品が公開され、18の言語で観覧することができます。

 

参照元『Google Arts & Culture』より

 

絵画単体を見ることもできますし、ストリートビューをクリックすればその作品が展示してある空間を見ることができます。
絵画や彫刻って画像だけだと大きさまではわからないので、意外と大きいんだ、とかこんな小さかったの?という気づきがありますよね。
昔モナリザって想像より小さい!と思った記憶があります。

また、絵画を時系列順に見ることもできるため、アーティストの中の作風の移り変わりや、美術館のコレクションの中での時代ごとの作品を見ることができます。

世界中のアートを動かず見ることができるだけでも楽しいのに、時系列までも一覧で見ることができるのは便利ですよね。

 

多くの作品数を見ることができるので良いのですが、絵画の絵の具の厚みとか盛り方とかテクスチャー とか、作家の熱量が伝わってくるような、そういうところも見られたらいいのになあ…という欲求も湧いてきます。

 

すると、それが見ることができるものがありました。

マドリッドの『ソフィア王妃芸術センター』のウェブサイトで公開している『ゲルニカ再考』
そこで見られるのはパブロ・ピカソの代表作であるゲルニカの誕生までのストーリーや年表、時代背景、そして《ギガピクセル画像》でゲルニカを見ることができます。

 

《ギガピクセル画像》いう超高解像度画像データの写真技術により、作品の細部まで見ることができるのです。

画面右ウィンドウの項目にチェックを入れるとその部分に色がついて表示され、観察することができます。
亀裂や汚れなど、様々な項目が選択できます。

 

絵画をクローズアップするとかなり鮮明ではっきりと見えます。
筆の跡や経年劣化、下地らしきキャンバスの凹凸やひび割れなどよく観察できます。

横7.77m×縦3.49mの大作のゲルニカを実際に美術館で見るときは、作品から4m離れた場所から見ることができないそうです。
これはオンラインでしか見られない距離の近さだと言えます。

 

ウェブサイトで誰でも見ることができるので、ぜひ見てみてください。

 

参照元:『ソフィア王妃芸術センター 』ウェブサイト
https://guernica.museoreinasofia.es/en#introduccion

 

 

オンライン空間の良さでいうと、その場へ行かなくても自宅で作品を見て楽しめるところ、人混みの中を歩かなくて良い、混んでいて作品が見られないことがない、時間の制約がない、などありますが、上記のゲルニカのギガピクセル画像のようにオンラインでしか体験できない、さらに新しい価値が生み出されていると感じます。

また、オンラインで見ていると実際に見に行きたいという気持ちをかり立てる効果もあります。

一方リアル空間の価値というと、その場の空気感や空間を身体で感じられるところが一番魅力的ではないでしょうか。
その場へ行って体験して感動したことは時が経っても覚えているものです。
ゲルニカでいうと、リアルでは近づいて細部まで見ることができないですが、大きな作品を身体で感じることができます。

 

オンラインでどこまでできるのか、もっとなにかできる可能性を感じますし、リアルにもやはり魅力があります。
オンラインで予習をして、リアル空間へ遊びに行くこともできるし、反対にリアル空間へ行ってからオンラインで思い出を振り返ることもできます。

例えば、リアルイベントでは超VIPを抽選で招待し、抽選から外れてしまった人たちは中継で参加。
《超VIP》なので会場も無人島や軍艦島、「北陸のハワイ」と呼ばれる水島、山の頂上、はたまた海の中でやってしまうなど特別な場所で開催し、オンラインでしかできないことも盛り込み、新しいリアルイベントが創れるかもしれません。

これからの時代はその双方の魅力を融合した空間が創れたら、また新しく面白いものを生み出していけるような気がします。

リアルの空間を強みとする私たちにとって、リアル空間での体験が少なくなっているのは悲しいことですが、悲観的にならずオンラインが加わることでアップデートされる体験ができる空間創造をしていきます。

しばらくは三密を避ける、ソーシャルディスタンスを意識する空間創りは必須となってきますが、「人と人の距離を空けて感染防止をしています」というようなものではなく、「距離が空いているからこそ楽しめる空間」というような考え方と同時に、オンラインでの体験の「もっとこういうものができたら」「こういったことができたら面白そう」と思うこと突き詰め可能性を探りながら、新たなツール「zone.」を通してアウトプットをしていくべきだと私たちは考えます。