【ミライデザイン研究所】”新感覚の体験”を味わう

インサイドジール 日本語記事

クリエーティブ本部 デザイナーのIです。

【ミライデザイン研究所】とはーーー
空間デザインの領域から一歩外に飛び出し、
考え方やデザインの成り立ちについて考察、予想しアイデアにプラスしていく、そんな企画です。

今回のトピックは、今年7月に東急プラザ銀座に誕生した新感覚の体験型デジタルミュージアム
「ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO」についてです。

「ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO」は、
小学館の図鑑NEOシリーズからピックアップされた生き物たちがデジタルで可視化された世界に入り込んでおり、
そのありのままの姿を記録しながら、学び、楽しみ、夢中になれるアカデミック・エンターテイメントです。

“新感覚”というのが気になったので、実際に体験しに行ってみました。
今回は、入場から体験、退場までの流れを辿りながら、
子供はもちろん、大人も夢中で楽しめるこちらの施設の概要や魅力をお伝えしていこうと思います。

記録の石を手渡され入場
館内は少し薄暗く、スタッフは探検隊のような服装をしており、入場前からすでにワクワク感が高まります。
入場と同時に、スタッフからあるアイテムを手渡されました。

説明によるとこれは「記録の石」というもので、
ミュージアム内に生息する様々な生き物を探知したり、出会った生き物の記録をしてくれる
ミュージアムを楽しむための重要アイテムとのこと。
空間だけでなく、こういった細かなアイテムにもこだわることで、イベントのクオリティを上げられるのだなと思います。

1グループにつき1つを受け取り、入場します。

ワクワクをより高める導入部分
中に入るとまず広い円形の空間に案内され、しばらくすると壁に映像が流れ始めます。
地球の壮大さや歴史の長さを改めて実感させられるような映像でした。
映像を見てさらに気持ちが高まったところで、メインエリアに案内されます。
スタッフの方に「動物の見つけ方」「記録の仕方」などを実演しながら教えてもらい、いよいよ探索が始まります。

各エリアの空間づくり
一通り説明を受けると「ディープフォレストゾーン」から探索が始まります。

館内は「ディープフォレストゾーン(森林)」「ウォーターフォールゾーン(清流)」「アンダーウォーターゾーン(水中)」
「ワイルドフィールドゾーン(草原)」そしてアリの目線になれる「アントビューゾーン」の5つのエリアに分かれており、
それぞれで出合える生き物が異なります。
また館内にも昼夜の概念があり、24分で1日が経過する速さなので、目まぐるしく風景が変わっていきます。
その時間ごとでも出現する生き物が全く異なります。
記録の石の力は、館内の世界の時間での2日分なので、その間にできるだけ多くの生き物を見つけていきます。

「ディープフォレストゾーン」は、名前の通り深い森をテーマにしたエリアです。
こちらのエリアでは、木の造作に埋め込まれたディスプレイで生き物に出会うことができます。
エリア内は、葉のついた幕で区切られていたり、照明に関しては木漏れ日のような光の入り方になっていたり、
リアリティを向上させるための視覚的な工夫が多くありました。
また、生き物の鳴き声や川のせせらぎなど、聴覚的な部分でもそういった工夫がされていて、
こういった様々な方向からのアプローチや工夫が、この体験の没入感につながっているのではないかと感じました。

館内を歩き回っていると、早速記録の石に反応が出ました。
その付近を歩き回っていると、生き物を発見することができました。

ここでその生き物が”特定の行動”をしているタイミングで記録の石をタップすることで、名前や情報を知ることができます。
なかなかその行動をしてくれなかったり、あまり近づくと動物が逃げてしまったりするので、
子供はもちろん、大人まで真剣になって探索をしていました。

「ディープフォレストゾーン」を抜けると大きな滝を中心とした「ウォーターフォールゾーン」が広がっていて、
そこでは水辺の生き物に出合うことができます。
他にも、「アンダーウォーターゾーン」ではイルカなどの水中生物を発見できたり、
「アントビューゾーン」では、日常では見ることのできない小さな世界をアリの視点でダイナミックに体験することができます。
これらは特にリアルで体験することのできないバーチャルならではの体験をすることができ、とてもワクワクしました。

館内は想像していた以上に広く、また昼夜で出てくる生き物が違うため、そう簡単には全ての生き物に出会うことはできません。

あっという間に館内の世界での2日間が過ぎ、もう少し探索したい気持ちもありつつ、出口に向かいます。

ゴールエリアにて出合った生き物と再会
メインエリアを抜けると、360度スクリーンの「ゴールエリア」が広がっています。
中央の台座に記録の石をかざすと、記録した生き物たちがスクリーンいっぱいに飛び出していきます。
その時によって出合える生き物が異なるため、飛び出していく生き物達に特別感を感じることができ、
これもまた、この施設でしか体験することのできない感覚だと思います。
また、広い空間に壮大な自然に生き物が飛び出していく様子には、地球の自然の雄大さを感じました。

まとめ
体験前の率直な疑問としてリアルの動物園と比べた時にどうなんだろう、
やはりリアルで体感する生き物の迫力には敵わないのではないか、という気持ちがありました。
しかし実際に行ってみると、デジタルでしか実現不可能な体験づくりがされていました。

また、親子で来られている方達が多かったので入り口では子供向けの施設だと思っていたのですが、
エリア分けや昼夜の概念により、人によって出合える動物が違うワクワク感や、時間経過で消えてしまう仕様、
近づきすぎると逃げてしまう仕様などからくるスリルや緊張感によって、大人でも夢中で楽しめるような工夫も多くありました。
空間づくりの部分でも、見た目やゾーニングはもちろん、音や光の使い方などもとても工夫されていて、
そういったところから実際にそのエリアの空間にいるかのような没入感が生まれていたのではないかと思います。

新型コロナウイルス流行の影響によりイベントや施設の形が大きく変化し、僕が担当する案件もオンラインで開催されるものが多いです。
今までリアルで行われてきたイベントをオンラインに落とし込む上で、よく「没入感」というものが大きな課題の1つとして挙げられます。
今回久しぶりにリアルの施設で”図鑑の世界に入り込む新感覚の体験”をしたことで、
造作だけでなく、音や光など細かな部分まで工夫を怠らないことで、
来場者の「没入感」を高め、イベント全体のクオリティを上げることができるのだということに改めて気づきました。

■参考
公式サイト:https://zukan-museum.com/