インサイドジール

ポップアップストアの成功事例5選!
成果につながる企画・空間づくりのポイント

2026.09.25

ポップアップストアは、商品を販売するだけの期間限定店舗ではありません。

実際に商品やサービスを体験してもらい、ブランドの魅力を伝えたり、SNSでの発信を促したりするなど、来場者との接点を幅広く生み出せる施策です。

一方で、ただ商品を並べるだけでは来場者の印象に残らず、期待した成果につながらない可能性があります。

開催の目的を明確にしたうえで、企画内容や空間デザイン、体験の流れ、当日の運営まで一貫して設計することが重要です。

本記事では、私たちジールアソシエイツが手がけた5つの事例と、成果につながる企画・空間づくりのポイントについて紹介します。

ポップアップストアの成功事例5選

来場者の行動につながるポップアップストアをつくるには、商品を並べるだけでなく、どのような体験をしてもらい、その後どのような行動を促すのかまで設計することが大切です。

ポップアップストアを開催するにあたり、参考にできる事例は、次の通りです。

  • BROOKS HYPERION HOUSE TOKYO
  • GUESS Originals x tokyovitamin POP-UP STORE
  • シナモンのそらルーム
  • ALMOND MILK CAFE
  • アルプスの少女ハイジ ブランコカフェ

以下からは、それぞれの事例で取り入れられた企画や空間づくりの工夫について詳しく見ていきましょう。

BROOKS HYPERION HOUSE TOKYO

「BROOKS HYPERION HOUSE TOKYO」は、米国のランニングシューズブランド「BROOKS」が、2025年9月13日から21日まで東京・原宿で開催した体験型ポップアップイベントです。

会場では、ブランドの歴史を紹介する展示に加え、次のようなコンテンツが展開されました。

  • 最新シューズの試し履き
  • 限定商品の販売
  • 来場者向けノベルティ
  • 契約アスリートによるトークセッション

ジールアソシエイツは、本イベントの空間デザインを担当しました。

空間はブランドカラーのブルーを基調としながら、提灯や暖簾、木製什器など、和を感じさせる要素を取り入れています。

BROOKSらしさを保ちつつ、東京で開催するイベントならではの印象を加えている点が特徴です。

また、イベント内で展開されるさまざまなコンテンツに対応できるよう、壁面デザインを変更できる仕様としました。

開催中の用途や演出に合わせて壁面の見せ方を変えられるため、さまざまな企画に柔軟に対応できます。

来場者がブランドの歴史を知り、商品を試したうえで、購入やイベントへの参加に進める構成になりました。

ブランドの世界観と多様な体験コンテンツを一つの会場内でつなぐ空間デザインの事例です。

BROOKS HYPERION HOUSE TOKYO

GUESS Originals x tokyovitamin POP-UP STORE

「GUESS Originals x tokyovitamin POP-UP STORE」は、ファッションブランド「GUESS Originals」と、東京を拠点に活動するクリエイティブレーベル「tokyovitamin」によるコラボレーション企画です。

2023年5月3日から7日まで、ZeroBase神宮前で開催されました。

会場ではアメリカでデザインされた空間やグラフィックを、施工によってほぼそのまま再現しています。

空間づくりで重視したのは、赤いスチール製ディスプレイが床のグリッドから飛び出しているように見せることです。

会場では、ガラス面や床面、スチール製のディスプレイに共通するグリッドを取り入れ、空間全体に統一感を持たせました。

海外で設計されたデザインの意図や世界観を損なわずに再現するため、線の位置や什器の寸法など、細かな部分まで調整しながら施工しています。

ブランドの世界観を損なわず、実際の会場に落とし込むためには、細かな寸法や素材まで整える必要があります。

また、会場にはLEDディスプレイを使ったDJブースを設置したほか、プロジェクターによる映像演出も取り入れました。

空間やグラフィック、什器、映像を一体的に構成することで、GUESS Originalsとtokyovitaminの世界観を会場全体で表現した事例です。

GUESS Originals x tokyovitamin POP-UP STORE

シナモンのそらルーム

「シナモンのそらルーム」は、「好きを着る。ファッションウィーク」の一環として、ラフォーレ原宿で展開された空間です。

会場には、青空や雲をイメージした装飾が施され、まるで空の上にいるような写真を撮影できるフォトスポットが設けられました。

ネイルプリント体験や写真撮影を楽しめるスペースを設け、来場者が好みのデザインをネイルに取り入れた状態でフォトスポットを利用できる構成にしました。

見る、体験する、身につける、撮影するという行動を連続させることで、「好きを着る」というイベントテーマを来場者自身が体験できる設計になっています。

シナモロールの世界観を装飾として見せるだけでなく、一人ひとりが自分なりの「好き」を見つけ、形にできる点も重要です。

ネイルや撮影した写真は会場を出たあとにも残るため、友人との会話やSNSへの投稿にもつながりやすくなります。

シナモンのそらルーム

ALMOND MILK CAFE

「ALMOND MILK CAFE」は、表参道で開催した「アーモンド効果」の体験型ポップアップストアです。

会場ではアーモンドミルクを提供し、商品を気軽に試せる機会をつくりました。

単に試飲してもらうだけでなく、アーモンドミルクを日常生活に取り入れる方法まで伝えることを意識した企画です。

空間は木や植物を取り入れた、自然で落ち着きのあるデザインに仕上げました。

店内には、アーモンドやアーモンドミルクの魅力を紹介する展示、レシピ、アーモンドができるまでの工程をひと目で学べるフォトスポットなどを配置。

来場者は、商品を味わいながら原料や特徴を知り、日常でどのように取り入れられるかを考えることができます。

この事例のポイントは、試飲をその場限りの体験で終わらせず、商品への理解を深め、アーモンドミルクを日常生活に取り入れるきっかけをつくったことです。

味わう、学ぶ、生活で試すという段階を設けることで、商品の魅力をより深く伝えています。

ALMOND MILK CAFE

アルプスの少女ハイジ ブランコカフェ

「アルプスの少女ハイジ ブランコカフェ」は、2025年8月8日から9月7日まで、麻布台ヒルズで開催された期間限定企画です。

会場では、作品に登場する料理やキャラクターをイメージしたメニューに加え、アルプスの風景を背景に、ブランコに乗っているハイジと一緒に撮影できるフォトスポットを設置しました。

空間は、牧場を思わせるエリアから山小屋をイメージしたエリアへと進む構成です。

来場者が会場内を移動しながら、作品の物語をたどるような体験ができるように設計しています。

また、空間装飾だけでなく、イベントロゴや店頭POP、メニュー表、料理に添えるフラッグまで、デザインの方向性を統一しました。

来場者の視線が移る先々で世界観が途切れないようにすることで、作品の中に入り込んだような印象を演出しています。

飲食と写真撮影を別々の企画として用意するのではなく、入店から注文、食事、撮影までを一つの物語としてつないだ事例です。

アルプスの少女ハイジ ブランコカフェ

成功事例からわかるポップアップストアづくりのポイント

ポップアップストアを成功させるには、目立つ空間をつくるだけでは不十分です。

成功事例からわかる主なポイントは、次の通りです。

  • 来場者にしてほしい行動を先に決める
  • 世界観を空間全体で統一する
  • 知る・試す・撮る・買うを自然につなげる
  • 来場者が自然に回遊できるストーリーを設計する
  • 伝える内容を絞り、主役の商品を目立たせる
  • 企画・デザイン・施工・運営の方針を一貫させる
  • 細部の施工や仕上がりまでこだわる

以下からは、各ポイントについて詳しく見ていきましょう。

来場者にしてほしい行動を先に決める

ポップアップストアを企画する際は、会場に何を置くかを考える前に、来場者にどのような行動をしてほしいのかを明確にすることが大切です。

主な目的として、次のようなものが挙げられます。

  • ブランドを知ってもらう
  • 商品を試してもらう
  • 写真を撮ってもらう
  • 商品を購入してもらう
  • 会員登録やSNSのフォローにつなげる

目的を増やしすぎると企画の軸がぼやけるため、最も重視する行動を一つ決めたうえで、補助的な目的も必要なものに絞ります。

たとえば、「BROOKS HYPERION HOUSE TOKYO」では、ブランドの歴史を知る展示、最新シューズの試し履き、限定商品の購入、トークセッションなど、さまざまなコンテンツが展開されました。

ジールアソシエイツは、こうしたコンテンツに合わせて空間デザインを担当し、それぞれの体験を会場内で展開しやすい空間をつくりました。

来場者にしてほしい行動が明確になれば、必要な空間やコンテンツも判断しやすくなります。

企画内容を踏まえたうえで、来場者が自然に移動し、商品やコンテンツに触れられる空間を設計することが重要です。

世界観を空間全体で統一する

ブランドの世界観は、ロゴやブランドカラーを壁面に配置するだけでは十分に伝わりません。

次のような要素に、共通したデザインや考え方を反映させることが大切です。

  • 空間の色や素材
  • 造作
  • 照明
  • サイン
  • 映像
  • 配布物
  • スタッフの案内方法

たとえば、「BROOKS HYPERION HOUSE TOKYO」では、ブランドを象徴するブルーを基調としながら、提灯や暖簾などの和の要素を取り入れました。

ブランドらしさを保ちつつ、東京で開催するイベントならではの印象を加えています。

また、「アルプスの少女ハイジ ブランコカフェ」では牧場や山小屋を思わせる空間に加え、イベントロゴ、店頭POP、メニュー表、料理に添えるフラッグまでデザインの方向性をそろえました。

来場者の目に触れるものを同じ基準で整えることで、個々の装飾がばらばらに見えにくくなり、空間全体を一つの体験として印象づけやすくなります。

装飾を増やすのではなく、ブランドの価値や開催地、季節、商品の特徴と関係のある要素を選び、空間全体に一貫性を持たせることが重要です。

知る・試す・撮る・買うを自然につなげる

展示を見るだけで終わるポップアップストアでは、来場者とブランドとの接点が短くなりがちです。

以下の行動を無理なくつなぎ、来場者が次の体験へ進みやすい流れをつくりましょう。

  1. 商品を知る
  2. 触る
  3. 試す
  4. 味わう
  5. 写真を撮る
  6. 参加する
  7. 購入する

「シナモンのそらルーム」では、青空や雲をイメージした空間で世界観を楽しみ、ネイルプリントを体験した状態で写真を撮れる構成にしています。

その結果、見るだけでなく、身につける、表現する、撮影するという行動が連続していました。

「ALMOND MILK CAFE」では、アーモンドミルクを味わうだけでなく、原料や製造工程、日常で取り入れられるレシピを知る展示も用意しています。

商品を味わう体験から理解へとつなげ、来場後の生活でも試してもらうきっかけをつくった事例です。

ただし、複数の体験を個別に並べるだけでは、来場者が次に何をすればよいのかわかりにくくなります。

試着後に商品が自然と目に入る配置にしたり、撮影後に投稿方法を確認できる案内を設けたりするなど、行動同士をつなぐ仕掛けを取り入れましょう。

来場者が自然に回遊できるストーリーを設計する

ポップアップストアでは、入口から出口までの移動そのものを体験として設計することが重要です。

入口では興味を引き、会場の中央では商品やブランドへの理解を深め、出口付近では購入やSNSフォロー、再来店につなげるなど、場所ごとの役割を決めましょう。

「アルプスの少女ハイジ ブランコカフェ」では、牧場を思わせるエリアから山小屋をイメージしたエリアへ進む構成をとっています。

来場者が空間を移動しながら、作品の物語をたどれる設計です。

エリアごとに異なる見どころを設けることで、案内表示を増やさなくても、会場内を自然に進める構成になっています。

設計時には来場者の視線や歩く方向だけでなく、待機列、混雑しやすい場所、スタッフの動線も確認しましょう。

入口に情報を詰め込みすぎず、進むごとに新しい発見がある構成にすると、歩きやすさと体験への没入感を両立できます。

私たちジールアソシエイツでは、来場者の視線や動き、体験の順序まで考え、ブランドの魅力が自然に伝わるポップアップストアを設計可能です。

企画・デザイン・設計から施工・運営・進行まで一貫して対応し、来場者の行動につながる体験を形にします。

ポップアップストアの企画や会場づくりをご検討の方は、ぜひご相談ください。

伝える内容を絞り、主役の商品を目立たせる

短期間かつ限られた広さのポップアップストアでは、伝えたい情報を増やしすぎると、主役となる商品やメッセージが埋もれてしまいます。

見せたい商品や体験を明確に絞り、配置、照明、余白、什器の高さ、周囲の情報量によって優先順位をはっきりさせましょう。

「GUESS Originals x tokyovitamin POP-UP STORE」では、ガラス面や床面、スチール製ディスプレイのグリッドをそろえ、空間に規則性を持たせています。

背景となる要素を絞ることで、限定商品が目立ちやすい構成になりました。

また、限定商品の販売とデニムカスタマイズという中心的な体験が明確なため、来場者も会場で何を楽しめるのかを理解しやすくなっています。

情報を絞ることは、説明を省くことではありません。

空間は第一印象を伝え、グラフィックは要点を補足し、映像は商品の動きや背景を見せ、スタッフは個別の疑問に答えるなど、それぞれの役割を分けて考えることが大切です。

企画・デザイン・施工・運営の方針を一貫させる

企画、デザイン、施工、運営が別々の方針で進むと、当初の目的が実際の空間や来場者体験に反映されにくくなります。

来場者にしてほしい行動を共通の目標とし、会場の条件、電源、搬入出、在庫、待機列、清掃、スタッフの動きまで、企画の初期段階から考えることが重要です。

たとえば、「BROOKS HYPERION HOUSE TOKYO」では、企画内容に応じて壁面グラフィックを変更できる仕様を取り入れました。

通常の展示とトークイベントなどで、空間の役割を柔軟に切り替えられる設計です。

ただし、可変性のある空間をつくるには見た目だけでなく、切り替えにかかる時間、スタッフの作業、商品や機材との干渉まで考える必要があります。

早い段階で、関係者の間で以下の要素を共有しましょう。

  • 企画の目的
  • 優先順位
  • 変更が生じた場合の判断方法
  • 完成時の基準

図面だけでなく、来場から退場までの流れを時系列で確認すると、現場で起こり得る問題を見つけやすくなります。

細部の施工や仕上がりまでこだわる

企画やデザインが優れていても、施工の仕上がりが粗いと、ブランドへの印象を損ねる可能性があります。

来場者が無意識に目にする部分まで整えることが大切です。

具体的には、以下の点です。

  • 素材の継ぎ目
  • 印刷物の色
  • 什器の位置や傾き
  • 照明の向き
  • サインの見やすさ
  • 映像機器やケーブルの処理

「GUESS Originals x tokyovitamin POP-UP STORE」では、ガラス面、床面、スチール製ディスプレイのグリッドをそろえ、海外で設計された空間の意図を国内会場に再現しました。

線や什器のずれが目立ちやすいデザインだからこそ、施工精度そのものが空間表現の一部になります。

また、完成時には設計者の目線だけでなく、入口、待機列、撮影場所、着席位置など、来場者が実際に過ごす場所から見え方を確認しましょう。

子どもや車いすを利用する方など、異なる高さからの見え方を確認することも重要です。

大がかりな装飾だけでなく、細部の整合性まで丁寧に仕上げることで、空間全体への信頼感やブランドの説得力を高められます。

ポップアップストアの成功事例を参考に、企画・空間・体験に一貫性を持たせよう!

紹介した事例に共通しているのは、目を引く装飾を増やすことではなく、開催目的、空間デザイン、来場者の体験、当日の運営までを一貫した方針で組み立てている点です。

まずは、来場者に何を感じてもらい、どのような行動につなげたいのかを具体的にしましょう。

そのうえで、ブランドの世界観や会場内の回遊、コンテンツの見せ方を整え、細部まで丁寧に仕上げることが大切です。

私たちジールアソシエイツでは、企画・デザイン・設計から施工・運営・進行まで一貫して手がけています。

開催目的や会場の条件を踏まえ、ブランドの魅力が伝わり、来場者の次の行動につながる空間づくりを総合的に支援します。

ポップアップストアの企画や空間づくりをご検討の際は、ぜひお問い合わせください。